sprit rejoice あるいは、ゾンビハンティングの顛末

Spiritual Unity
◎SPIRITUAL UNITY / ALBERT AYLER のオリジナル盤に関する蘊蓄http://more.main.jp/record%20photo/mezurasi18.html
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さて、以下はゾンビハンティングのお話:
「(RK)日本ではプロテオミックスといっても、個々のたんぱく質の構造解析ばっかりやっているようです。それはたぶん、幹じゃなくて枝です。個々のたんぱくの構造を決めて、どんな働きがあるかを決めて、それを薬の開発に使うということはとても重要ですが、どうしても、枝の先に進んで行くことになります。でも、新しいシステム・バイオロジーをつくることは、木の幹です。何とかして、日本に幹をつくって欲しい。枝ばっかりに目がいって、すぐお金が儲かるような安易な方向に行かないで欲しい。大きな枝が何本もできるような木の幹を育てないと、アメリカには負けてしまいます。・・・
(TY):私は、幹事長になる前、自民党の科学技術創造立国調査会の会長を長く務めていたんですが、今のようなお話をみんなに聞かせてあげたいなと思ったんですけど。
(RK): いやいや。そんな恐ろしい所では……。
(TY): その調査会が、科学技術予算獲得の応援団になってるわけです。
(RK): そうですね、ありがとうございます、本当に。
(TY): 24兆円の新しい5ヵ年計画の金額もね、われわれのところで決めたんです。
(RK): はい。本当にもう、ありがたく感謝しています。大切なのは、これをいかにうまく使うかだと思います。今、実験の現場にいて悔しいことがあります。一番悔しいのは、予算のかなりの部分が、結局はアメリカに行っているということです。アメリカで開発された装置を使わないと、実験が進まないんですよ。最先端の研究に予算がつくのですが、試薬を買うと、その試薬にはアメリカの特許がからんでいるんです。装置を買わなきゃいけないっていうと、その装置はアメリカの会社の製品なんです。だからフロンティアの研究をしていると、自然にアメリカを潤しているような気がするんですよね。ちょっと歯を食いしばって、日本製の基盤特許、日本で研究・開発されたものを使わないと、予算が24兆円あっても、アメリカが喜ぶことになっちゃう。その悪循環を、絶対どっかで立ち切らないといけないんです。
(TY): 回り回って結局、アメリカのための研究では、悲しいですね。
(RK): 私がいつも基礎研究、基礎研究って言う理由のひとつには、そういう事もあるのです。応用でちょっとだけ出口が見えて、少し手を入れたら製品となるということばかりでは、将来、日本が先端を走れなくなってしまうと思ってるんです」(www.taku.net/pp/saki/003.html)。
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これって、まったく「悪の枢軸」論と変わりませんがな。24兆がバブリーなお金なのか、それともまだまだなのかはわからないが、出す方も、もらう方も、こういう了見が引き起こす未来は、決して明るいものではない。なによりも情けないのは、両方の当事者がそのことを全く自覚していないということにある。我々はただたんに「現在」にすぎないのだから。