国家のためではなく反テロのための「自由の制限」

【問題】以下の事例は、I・バーリンのいう積極的自由と消極的自由の概念に鑑みるとき、帰属する国家と国民との関係について、どのような解釈をおこなうことができるだろうか。「フランス運輸省がターバンを巻いた写真を運転免許証に使用できないとした通達に対して同国のシーク教徒のインド系住民らが「差別だ」と取り消しを求めた訴訟で、行政訴訟の最上級審にあたる国務院は六日、「通達は偽造防止が目的で適法だ」として訴えを却下した。/国務院は「『宗教と非差別に関する欧州人権協定』は公共の安全や秩序維持のために自由が制限されることもあるとしている。欧州人権裁判所も安全のために空港でターバンをはずさせることを認めている」とした。/今回の判断を受け、原告側は「欧州では何十万人のシーク教徒がこの種の問題を経験せず暮らしている。間接的な差別の犠牲者だ」との書簡をシラク大統領に送付した」(http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20060308/mng_____kok_____004.shtml)。