慢性的な不幸の原因は?

甘さと権力―砂糖が語る近代史マーシャル・サーリンズのことばから「西欧史のある時代に、人間の社会と行動のすべては、個人の快楽と苦痛の大いなる構図を介して一般的にも哲学的にも認知されるようになった。『リヴァイアサン』にあるように、再びすべては、人がよいと感じるものに向かい、また傷つけられるものからは遠ざかるという動きという、単純で悲しい人生論へと帰着した。私が《悲しい》といったわけは、人生を幸福の追求と定義する人は、慢性的に不幸だからである」(「甘さの悲しみ(下)」山本真鳥訳、124頁)。