靖國神社観光論:魂のツーリズム、授業コンテンツ

mitzubishi2005-07-03

[授業形態]講義と演習(文献の読解)と実習(実際に観光する)
[授業目標]
1.靖国神社について、今日の社会的議論について概観を得ることができる。
2.現代社会における靖国神社という政治表象のもつ役割について理解することができる。
3.靖国神社をテーマにして文化記号論の立場から分析し論評することができる。
[授業の内容]
靖国神社に行ったことがありますか? 
こんな質問を我々の父母の世代の人に聞いてみよう。あるいは、自分たちの仲間に聞いてみよう。
我が国では、このような質問そのものが政治化される。つまり、その人の政治的信条を聞くことなり、質問者の市民としての政治的立場との距離がつねに問題化されるということだ。
しかし、このような政治的・倫理的な呪縛から逃れる方法はいくつかある。
例えばーーそしてこの授業の目論見なのだがーー靖国神社を「単純に」観光の対象として文化的に消費することだ。
しかし、そのようなことが現実的にみて「本当に」可能だろうか?
靖国神社に関する文献を読み、さまざまな資料を収集し、またさまざまな靖国参拝に関する政治的立場について議論をおこない、そして靖国神社そのものを(ヴァーチャルに、そしてリアルに)訪れるのが、この授業でおこなうことである。
授業の目標を実現させるための理論的方法論は、文化人類学を中心とした表象に関するさまざまな研究(→文化記号論カルチュラル・スタディーズ、観光人類学)である。また、方法論は、参与観察を含むフィールドワークである。
[キーワード]
靖国神社、戦争、平和、表象、文化、文化記号論
[テキスト]
4冊の教科書を指定します。この4冊の全部あるいは一部の資料を授業で使いますので、授業には携帯してくるように受講者には求められます。
田中信尚『靖国の戦後史』岩波新書、東京:岩波書店、2002年
山中 恒『すっきりわかる「靖国神社」問題』東京:小学館、2003年
坪内祐三靖国新潮文庫、東京:新潮社、2001[1999]
板倉聖宣・重弘忠晴『 靖国神社 : そこに祀られている人びと』東京:仮説社、2002年
[参考文献]
田中丸勝彦『さまよえる英霊たち』東京:柏書房、2002 年
http://www0.let.kumamoto-u.ac.jp/cs/cu/jyugyo.htmlにリンクするページで指摘します。
● わかりやすい文化表象学
● 戦争表象論2004
● 戦争表象論2003
● 文化表象学入門
● 虚構観光論(→観光研究/観光人類学)
● 垂水源之介ブログ(靖国神社観光論)http://blog.livedoor.jp/tiocaima7n/
 http://blog.livedoor.jp/tiocaima7n/archives/cat_1062481.html
[資料リンク:ヴァーチャルツーリズム]
靖国神社ホームページ
[内部参考リンク]
明治神宮を考える
[外部参考リンク]
[評価方法]
定期レポートならびに試験による総合評価をおこないます。
[履修上の指導]
大学における授業とは毎回必ず出席するものなので点呼による出席確認はとりません
[関連するリンク]
ゆきゆきてベトコン!  戦争神学  絶対悪  ゴジラ現代社会 
[授業の結論]