経済の貧困、貧困の経済

【新・経済の貧困、貧困の経済について】
 先進国において異様に低金利政策をつづけている我が国=戦後のジャパンでは、公益性の高い財団に豊富な資金があっても、その原資を投資信託として独立に回し続けることができず、出資母体の企業や大金持ちに資金供給を依存しつづけなければならない。大企業の名門の財団ですら世界(もちろん先進国なのだが)のさまざまな有名財団のような息の長い財政支援――例えば基礎学術研究支援、政策提言、あるいはワクチン開発などの応用科学の基礎研究等――などが、できない【状態になっている】。戦後70年、日本の基礎研究支援のモラルサポートのノーブルさとは、現在は独立行政法人といえども政府からの天下り官僚を要する小役人どもが運営しているために、人類の知への敬意は、そこらの外食産業のホールディング会社レベルに留まっている。つまり、学術研究の支援レベルは、いまだ、世銀やIMFからお金を借りる途上国レベルのまんまということだ。そんな状態であるから、日本が戦後70年、経済的で豊かになり、また極東で異例の平和状態にいるからありがたいというわけでなく、まだまだ、財政的にも知的にも豊かになるために、社会と経済を効率よく動かしていかなければならない課題は山積なのだ。「まず衣と食を得ることを努めよ、そうすれば、神の國はおのずから汝らに与えるであろう」(ヘーゲル、1807年)