私の姉の付き添い人

原題は『私の姉の付き添い人』意味です。物語ではその付き添い人が、白血病の一種(APL)に侵される姉のために特別に遺伝子を選別された実の妹であるというかなり特殊な設定になっています。このようないっけん異様な状況の設定にも関わらず、ドラマはどこにでもありそうな「家族の情景」を情感豊かに描きます。ハリウッド映画らしく物語の展開はダイナミックであり、観ている人をぐいぐいと引き込みます。弁護士や法律家など家族を取り囲む人たちも多様な個性があり、現代社会の縮図であるかのようです。私の専門は、現代医療が日常生活にもたらす様々な社会的影響を考察する医療人類学や臨床コミュニケーションという分野ですが、この作品自体が見事な教科書とも言えるでしょう。民博での上映は、第二日曜の母の日となります。観賞後に母親の愛情とは何か?子供の母への思いはどのように変化したか?について考えてみるのも楽しみです。