マッサージこそ真のメディアである!

今週の医学界新聞に、田村茂というPTが寄稿している文書のなかに「理学療法士の多くが,終末期にかかわっている」いう文言を見つけました。御参照ください。
文中、田村氏は柳田国男を引用しながらリハビリ医学の重要性を説いていますが、文章を読めば一目瞭然、マッサージをする人と終末期患者のあいだの医療技法的な関係よりも、どうやら人間的関係(あるいは心理的な繋がり)が重要な意義を果たしているようです。田村氏は、現場でせっかく良い患者認識に到達しているのに、生物医学的な解釈という「制限ないしは限界」により、ターミナルの患者の生活世界を未だ上手に描写できていないのだと思います。ま、医学書院の限界でもありますが。
マーシャル・マクルーハンの「メディアはメッセージである」と「メディアはマッサージである」(この場合のメディアは仮想現実的なものだが)という有名なテーゼがあります。これをひっくり返すと、「マッサージは(仮想と現実を媒介する)メディアに他ならない」ということになりますね。このケースにはぴったりな命題かと思います。 http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03015_03