大アンティル諸島の先住民と宣教師

征服後の新大陸史の碩学の先生に原始的な質問をぶつけるのは大変恐縮するのですが、どうしてもその欲望を抑えることができないので、なにが御存知のことがあればお知らせください。
レヴィ=ストロースの「人種と歴史」『構造人類学2』所収のなかに、次のような記載があります。
発見直後の大アンティル諸島に宣教師たちが派遣されて先住民が人間であるかどうかを検証しようとしたが、先住民のほうも、また白人を溺れさせたり、死体を放置して屍が腐るかどうかをチェックしようとした。(仏語383, 英訳 329, 西訳 309)
この挿話についレヴィ=ストロースは出典を示していないのですが、たぶん(彼は歴史家ではないので)一般的なソースから引用したものかと思われます。
私は、その出典がどうしてもわからないので、もし先生が御存知でしたら御教示――ラス・カサスなのでしょうか?――願えないかとメールを差し上げた次第です。
1月28日
X氏へ
恐縮です
構造人類学2』の白人の溺死「実験」の出典をもとめてエスノヒストリアンの大先生に紹介したところ(上記文面)
オビエドという記録者(クロニスタ)との指摘を受け、日本語抄訳とスペイン語の全文(A4に落としたら800ページありました)検索――溺死と腐敗――でまる1日半探しているけど見つからない。キーワードを「殺す(mata-r)」にすると植物の茎(mata)の言葉も入ってチェックするのが面倒なんです。阿呆な関心で墓穴を掘った。しかしレヴィ=ストロースもいい加減だが、デスコーラはもっといい加減なんです。なぜなら後者は前者の孫引きで、レヴィ=ストロースにない「異端審問」などを挿入している。新太陸で異端審問が始まるのはもっと後だからな。
ちょっと徒労気味〜♪
でもカベサ・デ・バカってのが難破してから、現地人化して7,8年先住民になり、本人曰くいやいやシャーマンになり「死人を甦らせた経験」まで持ってしまうのですが、こいつのほうが、あやしいのではないかと懲りずにチェックする。真理ゲームというのは、はまってしまうと、真理探究の無限後退(前進?)になるから、本当にたちがわるい。