言葉の重さは彼らの経験の中に潜む

ーー集団の戒律階層化や呪術的側面が強調されてきたチベット密教とその使徒たちが、少数民族弾圧やその後の難民化という受難を経由して、世界でも有数の人権擁護のシンボル的存在になった理由は?
ーーチベット密教という宗教そのものの功徳もあるだろうが、それよりも一層、彼らの政治的な現状(status quo)が教えの真理探求をさらに宗教的に鍛えていったからではないだろうか。言葉の重さは彼らの経験の中に潜む。