加齢のパラドクス

垂水源之介です。
過日の臨床◎践の現◎学研究会での貴兄の発表は興味深かった。
その時のレジュメがなかったのは残念だが、その時、私がノートをもとにparadox of aging というテーマがあるのかどうかネット検索をしてみました。
paradox of aging でググると、
Jacquelyn Beth Frank. The Paradox of Aging in Place in Assisted Living. Westport, CT: Bergin and Garvey, 2002.
という書物が引っかかりましたが、書評のひとつを呼んでみると、ナーシング・ホームの理想と現実という意味でのパラドクスでしたし、
Kenneth J. Doka and Claire Lavin, The paradox of ageing with developmental disabilities: Increasing needs, declining resources. Ageing International.Volume 28, Number 2 / 2003年3月
では、発達障害者の加齢により、ケアのニーズは増大するのに、家族のケアギヴァーは高齢化してゆくので支援力というものは低下し、また社会の理解も少ない、という意味でのパラドクスを使っています。
また、”paradox of aging psychology” でググると,Learning to be old By Margaret Cruikshank という書物の結論のところが、ここでのパラドクスは、例えば成熟した中の充実と、疾患としての病気という対立(矛盾)が、同時に存在することを言っており、君が言っていた、高齢者における(A)認知機能低下という否定面、〈対〉(B)心理的多幸感、という研究上における加齢像の対立というパラドクスは、ネットでサーチするかぎり、見つかりませんでした。
もしよければ、この件に関するいくつかの文献の存在をご示唆いただければ幸甚です。
源之介 拝