サイバー・パノプティズム(Cyber-Panoptism)

mitzubishi2008-10-18

サイバーパノプティコン、サイバーパノプティズムの定義
 ネットを使った一望監視システムをサイバーパノプティコンと呼び、その具体的行為や実践の思想さらには、それを支えるテクノロジーなどの複合的な文化現象をサイバーパノプティズム、ないしはサイバー・パノプティズム(Cyber-Panoptism)とよぶ。
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ベンサムじしんのパノプティコンについての所感は、当初は学校や刑務所(監獄)における生産性の向上という観点から導きだされたものであったが、その晩年には統治の定式――自由主義的統治――そのものであると、パラノイア的に拡張されたことをフーコーは指摘している(『生政治の誕生』邦訳、82ページ、およびその脚注27、89ページ)。これは、ベンサム(ベンタム)がパノプティコンに付与したイメージから言うと、具体的生産を導く〈道具〉から概念を生み出す〈形態〉へと変わったことを意味する。道具としてユーザーが利用するインターネットは、マイクロ・パノプティズムないしはサイバー・パノプティズム(Cyber-Panoptism)にほかならず、国家権力やテロリスト集団――どちらも同じようなものだが――が統治や戦術を行使するためののぞき見行為は、理念にまで昇華される〈形態〉としてのサイバー・パノプティズムにほかならない。