ネオ公害病蔓延の予感

もはや遺伝子組み換え作物GM)なしに食糧の増産は期待できない。もはや新種の殺虫剤やそのカクテル抜きに害虫の駆除も期待できない。消費者は生産者のコストや(価格に転嫁できない)手間を無視して、「良質でオガーニック」な信仰に眼がくらんで理性的判断ができない。
石油の先物売買の投機に走るに走るのは投資会社だが、そのバックには石油元売りやその精製石油を使う運輸会社などがからんでいる。自分の足をおしいと喰っている多幸感に浸るたこ焼き屋たるタコの主人である。クラインの壺みたいに(もはや)裏はないのだが、そういうのは生物界の常識では自滅と古来より呼び習わしておる。
私のフィールドである彼の国の低地地帯ではバイオ燃料のためのパーム椰子のプランテーションブームである。この精製のために使われるさまざまな触媒の利用が、思わぬ環境汚染を引き起こさないとは限らない。それが、いくら先進国のハイテク多国籍産業が参入したとしても、最終的に犠牲になる(つまりコストに転嫁されないのは)は、現地のワーカーであり、周辺住民だ。
悲惨な公害問題を克服したとも思えず、環境問題は技術革新でとさけぶ愚かな極東の環境大臣のいる国民は、これらの問題に対してもっと市民レベルで国家に改善の申し入れとそれが実現されないときに国民(市民)の反抗する権利を明確に行使しないとならないかもしれない。
テクノロジーの革新に夢を追い求めるのは悪いことではない、しかし、そのテクノロジーの革新が福音以上の害毒を撒き散らかしてきたことを、今ふたたび思い出すべきなのではないだろうか?
「産官学連携で次世代の技術開発を目指す京都府の地域結集型共同研究事業で、けいはんな京都府精華町)と同志社大、電子部品メーカーの城南電器工業所(宇治市)が天ぷら油などの廃油からバイオ燃料を製造する新たな方法を開発した。石灰を触媒に使うため、強いアルカリ性の廃液が出ないのが最大の特徴。食品工場やホテル、飲食店などに向け城南電器工業所が来春にも販売を計画する。/科学技術振興機構(東京都千代田区)の助成を受けて2004年から研究開発を始めた。研究事業の中核機関けいはんなによると、石灰を利用したバイオ燃料の触媒方法の実用化にめどを付けたのは世界初という。/石油に比べて二酸化炭素排出量が少ないバイオ燃料は、地球温暖化対策に有効だが、現在主流の苛性アルカリ触媒ではアルカリの排水が出るため、これを廃棄物として処理する必要がある。/新たに開発した「石灰触媒法」は、国内に多くあって低価格の生石灰酸化カルシウム)を使う。石灰の表面に特殊加工を施し、触媒時の表面劣化を防ぐことで無駄な排水を出さなくすることに成功したという。/不要になった動植物性油をタンクの中でかきまぜながら少量ずつ吸い上げ、専用部品を通して触媒する。1時間程度すればこはく色で透明のバイオ燃料になる」(headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080717-00000005-kyt-l26)。