母なるミトコンドリア

「ニューヨーク(AP) 南北アメリカ大陸の先住民の約95%は、約2万年前の「女性6人」に先祖が集約されるとする研究結果を、米国やイタリア、ドイツなどの国際研究チームがオンライン科学誌「PLoS One」に発表した。/研究チームは、母親から受け継がれるミトコンドリアのDNAを追跡し、アメリカ大陸先住民の祖先が6人の女性であると結論づけた。/この6人は、1万8000年から2万1000年前の女性で、同時期に生存していたわけではないという。しかし、アジア大陸の女性とはDNAが異なり、今は海底に沈んでいるベーリング海峡付近で暮らしていたと考えられるという。/この時代には、もっと多くの女性が生きていたはずだが、現在のアメリカ大陸で暮らす先住民に引き継がれたミトコンドリアDNAの由来は、この6人だったとしている。/アメリカ大陸へどのように人類が居住したかを研究している米フロリダ大学のコニー・マリガン氏は、先住民の祖先が6人に集約されることは、驚くことではないと話す。現在の先住民の人数を考えれば、6人は妥当な数だという。/しかし、この研究からは、この6人の女性が「どこで」暮らしていたかはわからず、また「どれぐらいの人数」がベーリング海峡付近を離れてアメリカ大陸へ移動したかがはっきりしないため、さらに詳しく研究する必要があると話している」(www.cnn.co.jp/science/CNN200803140024.htm)。