抑圧権力としての米中接近!

「【上海=前田徹】2010年の上海万博に向けた都市交通整備の目玉の一つであるリニアモーターカー延長工事への反対運動が本格化し、中国で最初の都市型住民運動に発展する可能性が出ている。外国メディアが報道するなど波紋が広がったため、上海市政府は再検討を約束、その一方で横断幕を強制的に取り外すなど硬軟取り混ぜた対応で住民運動の沈静化を図っているが、決定済みの計画が運動によって破棄されたことはこれまでなく、今回の事態がどのような形で落着するかは不透明だ。/上海では02年末から浦東国際空港と市内(竜陽路駅)を結ぶ約30キロの間でリニアモーターカーを運行している。その路線を上海万博に合わせて杭州や万博会場へ延長する計画が06年に発表され、さらに空港連絡線と呼ばれる支線計画(31・8キロ)も明らかにされた。/この支線が浦東区と閔行(びんこう)区にある団地密集地帯を通過するため周辺住民が反対運動を起こした。反対の理由は「騒音と磁気による健康被害」。団地からわずか20メートルのところを通過する地域もあるという。/中国ではデモを申請しても許可が出ないため、各団地の住民は協議の末、1月12日と13日の2日間、「散歩に出かける」という名目で上海市人民政府の庁舎前で反対を訴えた後、観光客の多い繁華街・南京東路をデモ行進した。/住民代表の一人によると、参加者は3000人以上だったが、数十人が公安当局に拘束され“散歩”は最終的に解散を余儀なくされた。/さらに団地の外壁に出した「リニア反対」などの垂れ幕や横断幕も公安当局によって強制的に撤去され、住民代表が深夜に連行され午前4時まで取り調べを受けたり、住民同士の連絡手段である携帯電話やインターネットが切断されるなどの妨害に遭ったという。/こうした当局の“圧力”に対し住民は団地内の集会所に壁新聞を張り出して抵抗、運動の深化を図っているという。/一方の上海市政府は苦情や意見を受け付ける「承り所」を各団地の近くに設けて意見を聴く姿勢に切り替えたうえ、住民との話し合いに応じる方針を発表した。/しかし住民代表の一人によると、上海市政府と住民の話し合いは実現するかどうか不透明になりつつあるという。/いずれにせよ、こうした住民運動が起きたことで、交通網の整備など上海市の急速な都市化に陰りが出ることも考えられる」(headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080308-00000068-san-int)。