「植民地ナショナリズム」(c)2007、続報

【リード】李登輝氏、きょう靖国参拝「亡き兄と再会するため」/来日中の台湾の李登輝前総統は、7日午前、亡兄、李登欽氏が「岩里武則」の日本名で祭られる靖国神社を初参拝する。日本当局も6日午後、確認した。参拝は政治を排した「肉親との再会を果たす」ための私人としての訪問で、境内で宗教行為に当たる柏手(かしわで)は打たず、国際的な慣例に沿って黙祷(もくとう)をささげるとみられる。李氏は訪日する機中で、「22年前の訪日で(靖国に祭られる)兄のことを知らなかった。東京に来て会いに行かないのは、人情としても、弟としても、忍びない」と話していた。/一方、李氏は6日、秋田市内の国際教養大学中嶋嶺雄学長)で、「日本の教育と台湾−私が歩んだ道」をテーマに日本国内では2度目となる講演を行った。/原稿は、昨年9月に計画していた訪日に向けて用意されたもので、李氏は「高い精神と美を尊ぶ心の混合体こそが日本人の生活であり、日本文化そのものである」と述べ、会場を埋め尽くした400人近い学生らに自国文化に誇りを持つよう呼びかけた。/一方、李氏は今月2日から、東北4県で松尾芭蕉の足跡をたどる旅を続けてきたが、6日は最後の訪問地となる秋田県にかほ市内の蚶満(かんまん)寺を訪問した。/李氏は夕方の記者会見で5日間の探訪を振り返り、「回ったのは新幹線や自動車で、ごく限られた場所。道なき道を歩いた芭蕉の苦労をもっと知りたかった」と話した。/李氏はこれまで、探訪後に本を書く考えを示してきたが、「『奥の細道』はまだ半分ぐらい残されている。旅は終わりません。まだ何も書く資格はありません」と将来の再訪に意欲を示した。/李氏は同日夕、空路で東京に戻り、9日までの滞在中、東アジアにおける国際政治情勢を学術的見地から分析する講演のほか、日本外国特派員協会(東京・有楽町)での記者会見などを予定している」(headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070607-00000006-san-int)。