原稿分量で編集委員と「交渉」してはならない

【原稿の分量で編集委員と「交渉」してはならない事例】
■■字換算で■枚超過(■■文字)というのは、上限の規定枚数の■■%オーバーとなります。
こう考えて見られてはどうでしょうか。■■さんは大学教員でありますので、もし、受講学生がレポートなどで規定の枚数のほぼ■割の逸脱(多いか少ないか)をしている場合、それを無条件で受けいれられると思われますか? 内容が特段秀逸でない限り少なくとも減点対象になるでしょう。なぜなら、教員にとっては、公平性がより重要で、条件を揃えてからはじめて、内容に関する公平な競争というものが始まります。
また倫理の観点から、これが受け入れられるかどうかを考えてみましょう。聖書の教えなら、自分にやられたくないことを人に押しつけることなかれ、となるでしょう。また、カントなら(どんなに大物の原稿でも、また内容がすばらしくても)先に決めたルールがあり、それを皆が遵守している以上、規則を守らせるべきであると答えるでしょう。■■さんは編集担当者と「交渉」する前に、まず、御自身との対話が必要になります。
では、私はどうすべきでしょう。私の立場は、もっと柔軟で折衷主義的なものです。
そこで、原稿の内容が「逸脱を容認しても」掲載するべきものか、どうかという観点から再度読ませていただきました。
原稿を拝見するに、前半の要約の部分(全■■ページのうち■■枚に使われています)に、引用を多用し冗長な感じを受けますし、■■論も含めて■■学や■■研究などに明るくない門外漢には、読むのには難解な表現も見られます。
そこで、この部分をもっと圧縮して(半分ぐらい)して、浮いた部分を後半の論評に集中して、よい(=批判的でかつ面白い)書評に仕上げていただけないでしょうか。
著者も含めて会員の多くの読者は、本の要約を知りたいのではなく、むしろ■■学の研究の発展においてこの書物がどこに位置づけられるのかを見守っています。御自身の研究にも関与しますので、いまいちど改稿のほどよろしくお願いします。