注(=註)の問題

ウィトゲンシュタイン読本「彼はこのころ書いた論理学に関する論文で学位を取得することを考え、ムーアを通して大学当局へ打診したことがある。規定によると、学位論文にはきちんと註が付いていなければならない(どこまでが先行する研究の引用で、どこからがオリジナルな研究かを示すため)ので、ウィトゲンシュタインの論文は規定を満たさないので通過しないとの返事がムーアから寄せられた。ウィトゲンシュタインは「どうしてそんな下らない規定があるのか」「地獄へ落ちたほうがマシだ」「さもなければあなたが地獄へ落ちろ」と、筋違いにもムーアを罵倒した。この一件でウィトゲンシュタインは友人と学位を一挙に失い、取り戻すのは実に15年後のこととなる」(出典
ムーアは後に日常言語学派(G・ライルの命名とか)のドンになるグレイトな哲学者で、ムーアのパラドクスでも有名。
ムーアのパラドックス(リンク)